皆のトコから10センチ弱。

ママと会社員の擬態をして8年

【子育てメモ】転園についてのアレコレ(1):親として、賭けに出るということ

こどもの環境を大きく変える

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保育園を転園することにした。

我が家の次男は、やはり凹凸を抱えている。集団行動が苦手なのだ。どちらかというと受け身で、パニクるとフリーズしてしまうタイプだ。

口頭での指示は極端に入りづらい。経験のないことや難しそうなタスクには、手をつけることもしない。怖くてできないのである。

今回の転園は、次男が1歳のころから慣れた環境を、がっつりチェンジするもの。大博打を打った格好だ。 フェイクも入れつつ、あくまで個人的な体験として記録してみたい。

現状の保育園は…

  • 宗教法人による私立である
  • クラスメイトもお母様方も、割と育ちがよくて上品
  • 「しつけは厳しく、愛は豊かに」系
  • 大人数クラス(3歳児クラスでほぼ30人に先生二人、加配一人)

次男は1歳のころから、ここに通っている。特性の傾向は、もともとあった。しかし3歳児クラスにあがって、唐突に凹凸が顕著になった。

先生の指示にほとんど従えず、自分から感情をあらわにすることもなく、能面のように過ごし、お友達ともほとんど交流をしない。

私は、いくつか要因があると思っている。

 1)園が合わない

この園は、伝統に基づく厳格なしつけと、何より集団行動の大切さを重視していた。3歳児に上がって気づいた。合うわけがない…っていうか、同じく通って卒園した長男がどうやって乗り切ったのか不思議だし、申し訳なく感じるばかり。

2)担任が合わない

事実だからしょうがない。3歳児クラスの担任、次男と明らかにあわない。可愛がってはくれるんだけどね。ともかく指示語(アレとかソレとか)や口頭指示が多い人だった。あと、次男ができないことを「やる気」か「甘えんぼ」か、どちらかで説明することが多かった。

3)4歳児クラス並みに大人数 

30人1クラスで先生ふたり(+α)は厳しすぎるものらしい。15人でひとりずつ、各クラスにつくのがスタンダード。

人数あたりの先生の数は同じじゃん?と思ってしまいそうだが、空間スペースの余裕が違ってくるし、小分けにしての指導とは、雲泥の差があるようだ。ちなみに、私立幼稚園はこのあたりだと、1クラス20人あたり1人である。午後の預かりがないので、このような差が出るのだろう。

まあ、愚痴はいくらでも出る。

現状園でもがんばってはみた

「お子さん、このままでは上のクラスになって苦労します」

担任はしょっぱなの懇談でそう言った。

苦労するから、教育相談センターへ行って、特別教室に参加してほしいと。もちろんすぐに申し込んだ。加えて、主治医が

「電話番号を伝えるから担任の先生に連絡してもらって。私がアドバイスします」

とまで言ってくださったので、喜んで伝えた。そのへんからなんか変になったな…

保育園が療育的に関わるということ

そもそも、「特性によるトラブルを療育的に解決したい」と考える保護者が現れたこと自体、一度もなかったのだろう。教育相談センター&保護者でどうにかするものだと思っていた気がする、保育園側は。

主治医のアドバイスは、主任が受けたようだった。

担任への引継ぎも特になかったみたい。現場に通達されなければ意味がなさすぎる。

「本人ぜんぜん困ってませんし、彼は彼だ!ということで温かく見守ります。お母さんもね、神経質にならず…のんびりいきましょう」

突然、そんなことも言い出す担任。180度違うぞ。

私のストレスはMAXに達し、各方面に泣きついて解決策を探った。教育相談センターを通じ、保育所相談を入れてみる。公的機関の相談員さん、子どもたちの1日を観察し、控えめながらひとこと。

「ちょっと、誰も知識がありませんね、あの園は」

しばらく様子を見たが、相談員さんのアドバイスは殆ど採用されていかなかった。その後、主任と話して信頼関係を築くのは難しいと判断。転園の申請手続きをはじめた。

べつに悪い園じゃない

ひとことで言うと、この保育園は

伝統的な『私立幼稚園』の亜種 ※預かり時間が長く、保護者の負担が極端に少ない

という性格を持っていた。クラスの人数編成からいっても、多分そうなのだ。そういうところに行かせたい人が、行かせるべき園だった。

ぜんぜん場所も違うけど、例えば下記の保育園が似ている。*1

 水天宮保育園 | 久留米市の保育園。水天宮を母体とした神社神道の基本的な精神の、浄く・正しく・明るく・ 素直な子どもたちを育成することを保育理念としています。水天宮保育園

 この暮らし、まさにこんな感じ!だし、 

www.suitengu.ed.jp

年長まで通った兄の就学前は、完全にこういう感じだった。お勉強を多少して、礼儀作法を習って、宗教のお勉強をたまにして。きっちり、制服を着て。

www.suitengu.ed.jp

「特性のある子は、幼稚園は大変。個性でなくて、集団行動重視のお勉強だから」

そういう話をよく聞いた。そのたび、へえ…今もけっこう集団行動させられてるけど、幼稚園ってもっとすごいのか。何するんだろ?と思っていた。違った。幼稚園並みに集団行動をする保育園だった。

『しつけと集団行動を重視する』なんて方針に、特別支援は全くと言っていいほどそぐわない。特別支援を推し進めるほど、園としてのアイデンティティは失われてしまうパラドックス

なるほど。

保育園も選ばなければならなかった

特性のある子には、保育園が向くと言われる。身辺自立を教えてくれるから、と。私もそう思っていた。そして確かに、幼稚園よりは保育園が向いているのだろうと思う(トチくるって幼稚園に入れたりしなくてよかった)。しかし、

幼稚園よりの保育園があり、それは思ったより厳しい

なんてことは分からなかった。これから保育園を検討する方には、ぜひ覚えておいていただきたい豆知識だw

さて、転園先は…

話し合いを重ね、夫婦でも教育相談センターでも検討を重ねて、転園することにした。

転園先は、フラットな方針(であらざるを得ない)公立にこだわる。教育相談センターも公立なので、連携もしやすいと見込んだ。

いくつか見て、公立園であっても各所、特徴は現れるということに気付く。公立の保育園は、立地するエリアによって特徴づけられるのだ。

さてどうなることか。転園後、また書きたい。よろしかったらお待ちくださいな。

*1:※ここが、特性を持った子に理解のない園というわけではありません!カリキュラム上の類似点を示す意図です。